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SPICA(次世代赤外線天文衛星)プリプロジェクト

SPICAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)が、国内外の大学等研究機関の協力のもとに、断熱放射冷却構造と機械式冷凍機とを効率的に組み合わせて、 大型の赤外線望遠鏡を絶対温度6K以下に冷却し、中間赤外~遠赤外領域において世界最高の感度と分解能の天文観測を行うことを目指して計画中の衛星です。

この衛星には、将来の宇宙開発計画を支える多くの技術要素が含まれており、第二研究ユニットではこの実現に向けて、現在実施中の研究テーマの適用を図るとともに、必要な新規技術の開発を目指した研究を行っています。

研究の概要

SPICAで要求される要素技術を様々な研究テーマに展開し、その実現を図っています。

研究成果(より詳細な研究内容)

SPICAでは、多層シールド(⑥~⑪)による放射冷却と、機械式冷凍機により望遠鏡部(①STA)を6K(絶対温度)以下に冷却しています。

これを実現するために、支持構造からの伝導による熱の侵入を極力減らす必要があり、シールドを模擬した薄肉円筒の座屈試験による設計パラメータの設定、STAを支持するトラス構造の軌道上分離方式の検討並びに要素試作試験などを実施し、 トラスからの侵入熱量を大幅に低減しました。(下図の青い部分)

また、他の研究テーマとして実施した成果を反映し、機械式冷凍機が発生する擾乱の影響評価、擾乱低減のためのアイソレータの試作試験などを実施しています。

発表論文

  • 水谷 忠均, 山脇 敏彦, 小松 敬治, 葛西 時雄, 井川 寛隆, “大型円筒シェルの衛星構造に関する座屈条件について", 第22 回スペース・エンジニアリング・コンファレンス, 2013.
  • Tadahito Mizutani, Toshihiko Yamawaki, Keiji Komatsu, Ken Goto, Shinsuke Takeuchi, Keisuke Shinozaki, “Preliminary structural design and key technology demonstration of cryogenic assembly in the next-generation infrared space telescope SPICA", Proc. SPIE 9143, 2014.
  • 水谷 忠均, 山脇 敏彦, 小松 敬治, 後藤 健, 竹内 伸介, 松原 英雄, 中川 貴雄, 高井 茂希, 岡林 明伸, 楢崎 勝弘, "赤外線天文衛星SPICAのミッション部冷却システムの構造設計", 第58回宇宙科学技術連合講演会, 2014.

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