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衛星推進系信頼性向上のための基盤研究(その3)

衛星に搭載される推進系は、衛星のいわば手足で、その機能が失われると衛星機能全体を失う事態となります。このため、推進系の信頼性は対信頼性が要求されていますが、実際に打ち上げられた後に軌道上で機能不全に陥り、衛星自体に大きな影響を与えた事例は、 あかつきやはやぶさなど少なくありません。このような事態を繰り返さないために推進系の信頼性を向上するための基礎的な事象を細かに追及しています。

研究の概要

衛星推進系は、衛星の基本バス機能としてその信頼性は高いものが要求されています。一方で、軌道上での異常発生はいまだに根絶できておらず、さらなる信頼性向上を目指した基盤研究を継続して実施することが必要です。 以下の推進系基盤技術データ蓄積、評価技術の構築を目指した研究から構成しています。

  • 推進系コンポーネントの動作状況時の内部観察
  • 軌道上/地上不明事象・メカニズムの実験的検証
  • より安価な窒化防止技術の評価・検討
  • スマートバイのための推進系デバイス評価
  • 先進民生技術の導入検討
  • 2液スラスタ燃焼器の寿命評価技術の検討
  • 1液スラスタの性能特性評価

研究成果(より詳細な研究内容)

推進系コンポーネントの動作状況時の内部観察

一液式ヒドラジンスラスタのヒドラジン分解現象を京都大学原子炉実験所の中性子ラジオグラフィ装置を用いて、高速観察することに世界で初めて成功しました。

ヒドラジンの分解がヒドラジンの押し出し圧力によらず一定部位により行われていることなどを新たに見出しました。

軌道上/地上不明事象・メカニズムの実験的検証

インハウス実験として、電磁弁の動作による温度上昇実験などを行いました。

より安価な窒化防止技術の評価・検討

一液式ヒドラジンスラスタに用いられている金属材料はその動作に従い劣化することが知られているが劣化事象の解明を行いました。また、実際に高価な燃焼実験を行わずに簡易な装置で同様な劣化を起こす方法を確立し、 その他の材料についても同様な劣化を起こすメカニズムについて調査を行いました。

スマートバイのための推進系デバイス評価

推進系コンポーネントの供給は、市場規模が小さいこともあって安定していません。このため常に新しい入手先をプロジェクトより先に調査しておく必要があります。

今回は、ウクライナ製の電磁弁についてその入手性や性能などについて、調べ、実際に入手した電磁弁の寿命評価を行いました。

先進民生技術の導入検討

民間の先進的な技術を調べ、衛星の推進系に導入できないか検討を行いました。

2液スラスタ燃焼器の寿命評価技術の検討

二液式スラスタに利用される金属材料の基礎的な寿命特性について調査を行いました。

1液スラスタの性能特性評価

一液式スラスタの寿命試験を行った結果について評価を実施しました。

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