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フロンティア技術の研究

最先端技術を宇宙へ適用するための研究を実施しています。ナノ・マイクロ技術として、ナノ材料、ナノ加工技術を宇宙機器に適用することを目指した研究を進めています。また、将来のエネルギー技術として、再生型燃料電池などの新規蓄電デバイスの研究を進めています。

研究の概要

ナノテクノロジーを活用した触媒設計により、空気再生用のCO2還元反応の反応温度を下げることを目指した研究を行っています。

地上用としては多く使われているDLC(Diamond Like Carbon)被膜について、その耐摩耗性、耐腐食性を活かした宇宙機器への適用を目指した研究を行っています。

小型・低電力な宇宙用電子源の実現を目指して、CNT(カーボンナノチューブ)を使った電界放出型電子源(FEC)の研究を進めています。

従来の蓄電池よりも大幅な軽量化が期待される再生型燃料電池の研究を行っています。

カーボンナノチューブを利用した電子源の動作試験
100W級再生型燃料電池

研究成果(より詳細な研究内容)

ナノ設計による新触媒技術に関する基礎的研究

宇宙機における有人活動において、人の呼気として生成する炭酸ガスを還元して、酸素源となる水を生成する技術としてサバチエ反応が注目を集めています。サバチエ反応は炭酸ガスを還元することによりメタンを製造することが可能な化学反応です。

一般にCO2還元反応では、350℃程度の温度維持が必要ですが、本研究では、ナノテクノロジーを活用した触媒設計を行うことにより、反応温度を150℃以下に抑える目処を得ました。 これにより、有人活動における廃熱温度以下での反応維持が期待できます。

DLC被膜の宇宙適用性の研究

DLC(Diamond Like Carbon)被膜は耐蝕性、耐摩耗性などの優れた特性から、民生用としては様々な用途への適用が進んでおり、宇宙機器への適用も期待されています。 また、DLC被膜は成膜時の条件や添加物を変えてナノ構造を変化させることにより、電気抵抗や硬度等をコントロールできることも大きな利点となります。

本研究では、DLC薄膜の特性制御法を獲得し、真空中でも耐摩耗性が要求される部品等への使用や宇宙用MEMS、センサへの適用を目指した研究を進めています。

宇宙用小型電子源の研究

小型電気推進機の中和器や導電性テザー推進等への応用を目指して、電界放出型電子源(FEC)の研究を進めています。FECは、鋭い尖りを持つ陰極先端に強電界を形成することにより電子を放出する電子源であり、微細構造の構築がカギとなります。

本研究では、エミッタ材料をカーボンナノチューブとすることで、駆動電圧低下や耐久性向上を目指しています。

再生型燃料電池の研究

再生型燃料電池は、超軽量・高性能が期待される蓄電池であり、宇宙航空に関する様々な応用が考えられる重要な技術です。一方、再生型という特徴から、通常の燃料電池と比較して新規性が高く、まだまだ研究開発が必要です。

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