飛行する航空機や宇宙機の周りの空気の流れなどの流体現象解明や先端的な数値流体シミュレーション(CFD*)技術・実験計測技術、さらには流体を制御する技術に関する研究開発を行っています。このような我が国の流体分野のCOE**を目指した研究開発活動を通じて流体技術の向上に広く寄与するとともに、JAXAの実施するプロジェクトや産業界等の研究開発活動に貢献しています。
* Computational Fluid Dynamics
** Center of Excellence
磁力支持天秤技術、機能性分子センサ技術の研究では、実機の開発にも適用できる実用化技術レベルを目標としています。また乱流領域における高精度非定常数値解析技術についても、将来的には航空機のような複雑形状への適用も可能なレベルへ技術を高めていきます。熱防護システムの信頼性向上の研究については、惑星探査等のJAXAの宇宙プロジェクトに直接的に貢献できるように技術向上を図っています。
マッハ数0.40、総圧130kPaで磁力支持天秤装置を用いたロケット形状模型の空気力計測技術を取得しました。また、有翼模型の6軸制御を達成し、空気力測定の課題を抽出しました(図1a)。この装置を用いて流れと平行に設置した有限円柱模型の細長比に対する空力特性を調べ、支持棒の影響を受けた既存データには見られなかった抵抗(CD)を最小とする細長比は1.6付近であることを見出しました(図1b)。


湿度に影響されない疎水機能を持ち合わせた高速応答型感圧コーティングを開発し、遷音速領域でのデルタ翼の計表面上の非定常変動圧力分布を1msの時間分解能で計測しました(図2a)。模型上に発生したバフェット非定常空力現象を明確に捕えることに成功しました。また、内蔵した非定常圧力センサと同時計測を行い、定量的一致も確認できました(図2b)。東京農工大と共同で研究を進めています。


高レイノルズ数領域における失速特性解析、乱流騒音解析等の航空宇宙分野での将来的課題への応用を目的として、LES(ラージエディシミュレーション)による高精度解析技術とマルチブロック法の研究及びそれらを組み合わせた先進的解析手法の研究開発を行っています。図3aとbはフラップ付高揚力装置周りの解析結果で、母翼上面、下面及びフラップ上の遷移を見事に捕えています。


惑星探査に用いる大気突入プローブや地上への帰還機など、極めて高いマッハ数で飛行する大気突入システムの空力設計と熱防護システム開発を行うために、化学反応や輻射を伴う極超音速飛行環境予測コードや熱防御システム評価コードを開発し、地上試験技術の高度化を図っています。図4(a)は、誘導結合プラズマ風洞によるグラファイト加熱試験の様子です。この試験により、世界で初めて炭素系材料の窒化確率が温度依存性を含む高精度モデルとして決定されました(図4b)。

