熱グループ
将来宇宙機の多様化する熱的要求に対応するため、熱制御系の高性能化・高信頼性化を目指した能動熱制御機器の研究や熱制御材料の性能評価を行っています。同時に、次世代天文観測衛星に搭載される超高感度観測センサや赤外線望遠鏡などの極低温冷却要求(−150℃〜−272℃)に対応するため、宇宙用冷却技術の研究にも取り組んでいます。これらの研究業務に加え、概念検討/開発/運用の各開発フェーズの宇宙機プロジェクトからの要請に応じ、熱設計検討/検証、熱制御系(冷却系を含む)の妥当性評価、軌道上熱解析、熱的評価試験などの技術協力も実施しています。
目標
能動熱制御機器および熱制御材料
将来宇宙機における多様かつ柔軟な熱制御技術を実現するため、実用型ループヒートパイプや平板型ヒートパイプなどの次世代ヒートパイプや、高効率・高信頼性を有する極低温機械式冷凍機の技術基盤を構築します。また、実装性を考慮した多層断熱材(MLI)の実効輻射率精密測定を行い、熱設計の確度向上を図ります。
熱制御系開発に関するプロジェクト協力
宇宙機熱制御系の設計検証や妥当性評価を行い、現在、JAXAにおいて開発中のプロジェクトの確実な推進とミッション達成に協力します。また、将来ミッションの概念検討においては、熱解析や予備評価試験によって、温度制御要求の実現性や妥当性を評価し、独創的かつ競争力のあるJAXAミッションの創出に貢献します。
ループヒートパイプ(LHP)の研究開発

ループヒートパイプの概念図
LHPは、宇宙機搭載機器の高発熱処理、高精度温度制御、配置の自在性向上を実現する先進的熱輸送機器です。次世代の天文衛星・放送衛星・月探査ローバなどの熱制御系への適用を目指し、温度制御機能やシャットダウン機能を有した高機能型LHPの設計・試作・評価を行っています。
機械式冷凍機の研究開発

20 K級スターリング冷凍機の改良型コールドヘッド
電波天文衛星ASTRO-G(2012年度打上げ予定)やX線天文衛星ASTRO-H(2013年度打上げ予定)、次期赤外線天文衛星SPICA(2017年度打上げ検討中)などの次世代天文観測ミッションの冷却要求に応えるため、宇宙科学研究本部や国立天文台などとの連携協力のもと、1K級および4K級ジュール・トムソン冷凍機、20K級2段スターリング冷凍機の機械式冷凍機の高効率化、高信頼性化、低振動化に関する研究開発に取組んでいます。
熱制御系開発に関するプロジェクト協力

SDS-1の熱設計解析
超高速インターネット衛星WINDS(きずな、2008年度打上げ)、宇宙ステーション補給機HTV(2009年度初号機打上げ予定)、準天頂衛星(2010年度打上げ予定)、地球環境変動観測ミッションGCOM-W1(2011年度打上げ予定)、全球降水観測計画GPM/二周波降水レーダーDPR(2013年度打上げ予定)、水星探査計画BepiColombo/水星磁気圏探査機MMO(2013年度打上げ予定)などの熱制御系の設計評価、さらに、次期赤外線天文衛星SPICA望遠鏡冷却システムの概念設計を行いました。また、小型実証衛星SDS(Small Demonstration Satellite)シリーズの熱制御系開発を担当しており、宇宙実証研究共同センターとの協力のもと、全ての衛星開発フェーズにおける熱設計解析や熱真空試験を実施しています。