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デブリ除去システム

デブリ推移モデルにより、これ以上打ち上げを行わなくても、今すでに軌道上にあるデブリ同士が衝突することによって、デブリの数がどんどん増加してしまう自己増殖がすでに開始していると考えられています。そのような状況では、今後これ以上デブリを発生させないように努力するだけでは不十分で、今すでにあるデブリをお掃除する「デブリ除去システム」が必要です。しかも、なるべく早くデブリの除去を開始しないと、衝突により多数の細かいデブリが発生してしまいます。細かいデブリは除去するのも、検知して衝突を回避するのも困難ですので、早急にデブリ除去を実現する必要があります。
デブリ除去システムは、太陽同期軌道や高度1000km、軌道傾斜角83度など混雑した軌道にあるデブリを捕獲して、軌道高度を下げる必要があります。デブリはいくつかの混雑軌道にまとまって存在しているため、そのような軌道から100個くらいのデブリを除去すれば宇宙全体としての危険度を大きく下げることができます。
そのためにはまず、どこにあるか・どのような姿勢運動をしているか分からないデブリに接近して捕獲することができ、そして投棄軌道へ移動させるための高い軌道変換能力を持つ作業機が必要です。

デブリ除去システムの流れ
デブリ除去システムの流れ
まず作業機はデブリにランデブーし、運動を計測します。そして必要なら角運動量を除去した後ロボットアームで捕獲し、そして低い軌道高度の軌道へ移動させます。これらの作業を多数のデブリに繰り返して行います。
 
 

最終的な目標は、国際的に協力して、デブリを多数除去できるデブリ除去システムですが、まずは安価にデブリを一個除去する小型衛星「マイクロリムーバ」についても検討しています。「マイクロリムーバ」は相乗り小型衛星として打上げ、近傍にあるデブリ一個を伸展式のブームで捕獲し除去することを考えています。


 
 

参考文献

  • Kawamoto, S. Ohkawa, Y., et al.: Strategy for Active Debris Removal Using an Electrodynamic Tether, ISTS-r-2-36, 2008. (Trans. JSASS Space Tech. Japan, 7, ists26 (2009), pp. Pr_2_7-Pr_2_12.)
  • Nishida, S., Kawamoto, S., Ohkawa, Y. and Kitamura, S.: A STUDY ON ACTIVE REMOVAL SYSTEM OF SPACE DEBRIS, 5th European Conference on Space Debris, 2009.
  • Nishida, S., Kawamoto, S., S., Ohkawa, Y., Terui, F. and Kitamura, S.: Space debris removal system using a small satellite, IAC-06-B6.4.02, 2006.
  • Nishida, S., Kawamoto, S., Ohkawa, Y., Yoshimura, S., Terui, F. Nakajima, A. and Kitamura, S.: Development Status of an Active Space Debris Removal System, IAC-05-B6.3.03, 2005.
 

要素技術の研究

デブリ除去システムに必要となる以下のような要素技術について研究を進めています。

  • 導電性テザー(EDT)
  • 運動推定
  • 角運動量除去
  • 捕獲